今日も迷走中!!~鬱と向き合うオジさんの記録~

毎日迷走中のおっさんのブログです。主に鬱病の体験記です。その他、仕事の事、趣味の事などいろいろと書いていきます。

少し調子が良くなると…落とし穴が待っている。

鬱状態が酷かったころの話です。

 

休職中、数日…いや数週間ですかね、身体が動かず、頭が働かず…何かをしようとする気も起きず…ただひたすらモヤモヤと闘う日々が続きます。

 

ある日、ふと「調子が良くなったかな」と感じる日がありました。

そんは日は、「調子が良くなったから、何かやらなきゃ」と思うんです。

ただ…「調子がいい…」と思ってはいるけど、どこかフラフラしている感じだし、頭も働いていません。「いつもよりも少し楽かな」程度の「調子がいい」なんです。

 

「何かやらなきゃ」は自分の意志と言うよりは、「仕事もせずに家にいるから何かやらなくては…」と言う自分に対する脅迫に近い気持ちだと思います。

「早く治さなきゃ。仕事に行かなきゃ。」と言う気持ちが「今日、これをできたら大丈夫」と何の根拠もない課題を課してしまうのです。

 

 

 

そして、いざ作業を始めるとありえないようなミスを連発するんです。

 

わたしが今でも覚えているのは…

「今日は調子がいいから、草刈りをしよう」と炎天下の中、庭の草刈りを始めた時の事です。

暑いからと、Tシャツに短パン、サンダルで帽子をかぶって作業を始めました。

かなり軽装です。

頭の中では「道具はこれをもって行って、この辺から始めたら効率がいいかな?」

なんて考えているつもりです。

ところが…

道具が見つからないところから始まり、ごみ袋など、必要なものを用意し忘れたり、

草刈り機の使い方が一瞬分からなくなったり…時間ばかり過ぎていきます。

 

そして、頭の中で考えていたプランが滅茶苦茶だったことに気付いたころ、鎌で少し足を切ってしまい怪我をしました。

 

怪我をしたところでガクンときました。

 

「あぁ…やっぱりダメだ」

「こんな事も出来なくなってしまった」

と物凄く落ち込みました。

そして、頭の中の回線が滅茶苦茶になっているような感じがしました。

結局、『調子がいい』と思っていたのも束の間で、カウンターパンチを食らった形でダウンです。

草刈り作業も途中で終了し、片付けて家に入ると、わたしの状態はまた振出しに戻っていました。

 

身体中に力が入らなくて動けなくなってしまい、モヤモヤが広がってきます。

 

「おまえはもうダメなんだよ」と

頭の中で囁く声が聞こえていました。

 

そしてまた数週間後に、「あれ、調子がいいかも」と感じる日が来るけど、同じようにミスをしてはまた振出しに戻るのでした。

ちなみに…この草刈り以外エピソードは覚えていません。

ただ、何度も同じことを繰り返しては、振出しに戻ったことだけは覚えています。

 

この記事を書きながら

「鬱はどうしてこんな経験をわたしにさせたのだろう?」と思いました。

 

毎度のように書きますが、鬱はわたしに言いたいことがあってやって来たのだと思います。

そして、この頃のわたしは、『鬱になった自分と向き合う事』をしようとはせず、『早く何とか元に戻りたい』と焦っているだけでした。

『指をパチンとならしたら、治っていた』みたいな事を期待していたと思います。

 

無理はないんです。

急に『何だかおかしい自分』に気付いて病院で診察受けて…「鬱です」って言われても、どうしたらいいかわからない。

当時の職場では「鬱は風邪をひいたようなものだから…」なんて声をかけてもらった記憶がありますが、「風邪」って言われるとあまり重く考えないし…「そんなものなのかな…。直ぐに治るのかな」と思っていた節もあります。

風邪にしてはは辛すぎますけどね。

 

かなりの時間をかけて、漸く『自分(鬱)と向き合う決意』ができましたが、あの頃はそんな『決意』が必要なんて思っても見なかった。

 

そう考えると、あの時少しでも「調子がいい」と感じたのは、「そんなに簡単な事じゃないんだよ」「今の状態では何をやっても無駄だよ」「もっとしっかり休みなさい」と教えてくれるためだったのかな…と思います。

少しずつ…

少しずつ…

遠回りでも、身体を回復させて、現状を見つめさせるためだったのかな…なんて思います。

 

だとすれば、もっとやさしく教えてくれればよかったのに…。

とも思いますが…。

 

無理して無理して自分を追い込み続けてきた わたしには、そうやって教えるしかなかったのかもしれませんね。