最近は仕事が忙しいけど、何だか充実しています。
少しずつ自信が戻ってきたこともあるし、周りの目もあまり気にならなくなってきました。
でも、ひとつ…気掛かりなことがあります。
それは「忘れてしまう」ことです。
大袈裟に聞こえるかも知れませんが、わたしにとっては『恐怖』です。
最近はだいぶマシになりましたが、ふとした瞬間に「急に忘れたらどうしよう」と頭を過ります。
今まで、特に鬱が酷かった時期は、身近なところで言うと、薬を飲んだかどうか忘れてしまう事が多かったです。
薬を飲んだのに、しばらくして「あれ?薬飲んだっけ??」となります。
薬を飲んだ記憶が、今の記憶なのか、昨日の事なのか…分からなくなりました。
薬の管理ができない事で、酷く落ち込み…100均で薬管理ケースを買ってきてもらって、使用していました。
「薬の管理もできないのか…」と、
情けなくて情けなくて…また落ち込むのです。
こうしてブログを書いていても、忘れてしまっていることが多いのも関係あるかもしれません。
何でもかんでも覚えていないならいいのですが、鬱が酷いときに経験した『嫌な事』は必要以上に覚えていたりします…その時のイライラ、モヤモヤした気持ちと一緒に…。
だから、今まで何度か自分の記録を残してみたり、ノートに書き留めていた事なんかを読み返してみると…
「こんなことあったっけ!?」
「この時は、こんな風に思っていたのか!?」
何て事が多いです。
また、妻がわたし以上に色々と書き留めていてくれていて…
ブログを書くようになってから、「あの時どんなだったっけ?」と妻に聞くと、わたしが忘れてしまっていることが多くて、本当に申し訳なくなります。
過去のこのブログを読んでいただくとわかるかと思いますが、わたしは鬱になってから何度も休職や、入退職を繰り返してきました。
自分では「もう鬱はよくなった」と思って働いていても、今思えば、鬱の波が穏やかな時に就職して、働いているうちに波が徐々に大きくなって、次第に大荒れとなり…
最終的には働けなくなっているのだと思います。
ですから、今まで何度か「よくなった」と感じて働いている時も、急に頭が真っ白になることは度々ありました。
そして、『頭が真っ白になる』ことは年々酷くなっているような印象でした。
だから、介護をする上で「命にかかわるような場面で真っ白になったらどうしよう」と言う思いが頭を離れず…やがてその気持ちが大きくなって『恐怖』を感じていたのです。
また、間が悪いことに、『頭が真っ白に』なってしまった時が、人から指摘を受けるような場面だったりすると、ショックが大きく、その事がずっと頭から離れなくなり、ずっとわたしを責め続けるのです。
『頭が真っ白になる』ことで、わたしが一番覚えているのは、鬱病10年目に希望して系列の施設へ異動させてもらった時の事。
漸くデイケアの利用者さんの顔と名前が一致してきたと思っていた頃です。
お昼休憩から戻ると、利用者さんを大勢集めてレクをしていました。
ひとりひとりゲームに参加してもらい、その得点をホワイトボードに書き出す為に、「端から利用者さんの名前を書いて」と同僚に頼まれました。
直前まで「○○さん」と話していたのに、一番端の○○さんの名前が出てきません。
焦れば焦るほど『真っ白』になってしまい、隣の利用者さんも、その隣の利用者さんも名前が出てこなくなりました。
それに同僚が気付き「名前分からないみたいだから変わってあげて~」と大きな声で他の職員に頼みました。
「さっきまで名前を呼んで話していたのに…何で…。」
そんな思いと共に、物凄くショックを受けました。
その体験が、一番のトラウマとなり、いつのまにか「自分は記憶力が悪い」「覚えてもすぐに忘れてしまう」と自信を失っていったのです。
『鬱病 記憶力』と検索してみると、色々と分かってきます。
どうやら、鬱病は新しい物事を覚える「記憶力」が低下するようです。
検索でヒットしたページによると、「見聞きした情報が頭に入ってこなくて、忘れてしまう事が多い傾向にある」とありました。
・本を読んでも内容が頭に入ってこない
・買い物を頼んだのに忘れる
・仕事の打ち合わせ内容がいつもぬけてしまっている
などの例もありました。
確かに…
わたしは今まで、本を読むのが苦手でした。
読み始めても、頭に入ってこないので、何度も何度も初めの2~3ページを読み返していました。そして…最後はあきらめていました。
何とか続けて読んでみても、同じ事でした。
それから、人と会話をしていても、途中から何を話しているのか分からなくなったり、相手の話が頭に入ってこない事も良くありました。
そして…覚えたと思っていたことが、ポンと頭の中から消えてしまい『真っ白』になってしまうのも、鬱病による認知能力の低下がもたらしていたものなのかなと思います。
他にも、注意力が散漫になったり、判断力が落ちたり…そんな症状も書かれています。
たしかに、思い当たる節も沢山あります。
例えば、鬱になった初期の頃に、ちょっと調子が良くなって『家族の役に立ちたい』と言う思いが強くなり、庭の草むしりをしましたが、頭の中で手順を考えているのに、途中で分からなくなったり、上手くいかなくて混乱したり…最終的にはあり得ない形で怪我をして…酷く落ち込みました。
今にして思えば、あれもこれも、鬱病の症状の一部なんです。
でも、そんな事分からないし、鬱病になった事を認めたくない自分も居るので、ただただ、悩み、落ち込むだけでした。
記憶力も、判断力も、注意力も…
今まで、あまり意識しなくてもやってこれた事が、急にできなくなるとショックが大きく、さらに鬱の沼にはまっていくのでした。
現在はと言えば、まあ時々忘れることもありますが、「仕方ないか」と思うようにしています。
もちろん、忘れた時に対応できるように、自分がわかりやすいようなメモも持つようにしています。
でも、自分自身が、「年齢的にも、忘れっぽくなるかもな」と思うようになって気が楽になりました。だから「仕方ない」って。
あとは、名前が出てこないとか、忘れちゃった時は、声に出して「最近、名前出てこないんだよな~」なんて言うようにしています。
すると、「わたしもそうだよ!」なんて言ってくれる人も居るし、「そんなこともあるのね」と周りも理解してくれるかな…なんて自分に都合よく思うようにしています。
何よりも、色々な事に自信がついてきた事が一番大きいかな。
自己否定ばかりしていた頃に比べると…
「今日も一日頑張ったじゃん」
「よくやった!」とか、
「やればできるじゃん」
「自信もっていいよ」って
自分に声かけるようになったのも大きいかな…と。
人の目ばかり気にして、人の評価ばかり気にして…そして、自分は自分にダメ出しばかりして…
今までのわたしはそんな状態でした。
時々ブログに書きますが、「鬱がわたしに言いたいことがあって現れた」のならば…きっと、「もっと自分を見てよ」「もっと自分を大事にしなきゃダメだよ」って言いたかったのだと思うんです。
その事に気づいてから、自分に前向きな声を掛けるようにしました。
そうしたら、少しずつ、自信もついてきて、気持ちも前向きになりました。
そして…夜も眠れるし、頭が真っ白になることも無くなってきました。
時々、『頭が真っ白』になった時の事を思い出すと、怖いですけどね…。
でも、「大丈夫。気にしない。気にしない。」
そう思うようになりました。
もしも、わたしと同じような体験をされているのなら、忘れてしまう事に気をとられ過ぎず、『自分を大切に』思う事から、始めてみるといいかもしれませんよ。