鬱病10年目…
前の年にドクターストップにて2ヶ月休職。
復帰して、職場の配慮で事務所内でのパソコン作業をさせていただきましたが、「早く介護の現場に戻りたい」と焦る気持ちと、「介護の現場に戻ってやっていけるのか?」と言う不安から、徐々に「もうここには自分の居場所がない…」と感じるようになっていきました。
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「自分の居場所がない…」その気持ちは日に日に大きくなりました。
そして…看護部長に相談しました。
「申し訳ないのですが、どこでもいいので系列の施設へ異動させてもらえませんか?」って。
年が明けてすぐに、系列の施設へ面接に行き、2月からの異動が決定しました。
急な事だったので、自分の配属も含め細かな情報は、当日にならなければ分かりませんでした。
新たな職場での初日、配属されたデイケアへ案内されたときに「ホッ」とした瞬間、どっと疲れが出て身体が重くなったのを覚えています。
そこからが大変でした。
わたしが思っている以上に鬱の状態が悪かったのだと思います。
ちょっとしたことで、オドオド、ビクビクする毎日でした。
何よりも、利用者さんの名前をはじめ、仕事が頭に入りません。
正確には、覚えたことが、ふとした瞬間に『真っ白』になるのです。
誰かが勝手に、わたしの頭の中のリセットボタンを押したかのように…。
それまで「○○さん。」と話しかけていたのに、次の瞬間誰だかわからなくなるのです。この事が物凄くショックでした。
またある同僚(上司)が、お昼休憩が一緒になると、ネチネチとわたしに言ってくるのです。
「こんな人、異動させて来られても迷惑だ」って。
それが、毎日苦痛でした。
そして気付けば、鬱が悪化して自宅から出られなくなりました。
出勤だけでなく、外出の予定があると『吐き気』が止まらなくなるのです。
仕事のある日は、朝起きてから、職場につくまでの道中、運転しながら吐き気と何度も何度も闘っていました。
不思議と仕事に入ると吐き気は時々出るくらいになるのですが、一日辛かったです。
そんな自分を、仕事中は周囲にもばれないようにしていました。
ゴールデンウィークを迎えるころ、症状は日に日に悪化して、とうとう出勤できなくなりました。
そして、暫く仕事を休みました…。
受診したくても、いつもお世話になっている病院は、連休中は休院。
それでも、ネチネチ上司から、どこの病院でもいいから診断書を貰ってくるように言われました。
何とか連休中も診察している病院を探して、無理言って診断書を書いてもらいましたが、提出すると「この診断書ではダメです」と職場で言われてしまい…結局、連休明けに主治医に診断書を書いてもらいました。
今思えば、よく遠くの病院へ、妻に付き添ってもらったとは言え、行ってこれたものだと思います。
それくらい、わたしの状態は最悪でした。
診断書を書いてもらって、しばらく休んでいた時に、妻に一つお願いをしました。
「どこか、別のところでカウンセリングを受けてみたい」
妻からも、
「それじゃあ、セカンドオピニオンで別の先生の話も聞いてみよう」と提案がありました。
この事が、またひとつ転機となりました。
わたし自身、外出しようとすると吐き気が止まらなかったくらい、あの頃は調子も最悪でした。
そんな中で、妻の探してくれたクリニックでの診察は緊張したことしか覚えていません。どんな話をして、どんなアドバイスをもらったのか…内容は全く覚えていませんが、何だかホッとしたのと、今まで同じことの繰り返しのように感じていた鬱との関係に、少し光が差したように感じた事だけ覚えています。
また、カウンセリングは、自宅から通える範囲で、ホームページの内容を見てわたしが決めました。
その時は、妻にも「行ってみて、ダメならまた他を探せばいいよね」と話した記憶があります。
なぜ、「急に別のカウンセリングを受けたみたい」と思ったのかと言えば、鬱病8年目に職場で受けたカウンセリングがキッカケだと思います。
それまでの通院時に受けていたカウンセリングとは、ちょっと違ったニュアンスを感じたからです。
その為、色々な話を聞いたら、どこかで鬱から抜け出せる道が見つかるような気がしていました。
新たに通いだしたカウンセリングは、それまでのカウンセリングとは異なりました。
今までは、「こんな症状が出たら、こう対処してください」と言った内容ばかりでした。その為、同じことの繰り返しで、どうしていいのか分からなくなっていました。
そのうち…「何かあったら来てください」って感じになっていたし…。
新しく通いだしたカウンセリングは、『わたしの心の闇に目を向けて、ひとつひとつ解決していく』…そんな感覚でした。
初めは半信半疑でした。
カウンセリングで見つかる『わたしの問題』は、どこか「分かってはいるけど、認められない」と感じていました。
「認めてしまう」と今まで苦しんできた自分が全て否定されるような気がしていました。
その為…初めのうちは、言い方は悪いかもしれないけど「騙されたと思ってやってみよう!」と思って通いました…。
でもそれは、心のどこかで、今まで経験しなかった方法での鬱へのアプローチに、微かな希望を感じた為です…。
そして、気付けば、いつの間にか、先生を信じて通うようになりました。
自分が『どんな事で悩んでいたのか?』、『どんな問題を抱えていたのか?』が明確になり、『自分は、本当はどうしたいのか?』に気付いていくにつれて、一皮ずつ向けていくような感じがしました。
ちなみに、現在もこちらのカウンセリングでお世話になっています。
仕事の方はと言うと、何とか続けていけたらよかったのかも知れませんが、わたし自身に拒否反応が強く、仕事に行くのが怖くなっていたので、そのまま退職する事にしました。
そして、自宅療養しながら、カウンセリングに通い、「今度こそ」と言う気持ちで、鬱と向き合う事になりました。
今までも自分なりに鬱と向かってきたつもりでしたが、初めてちゃんと向き合う気持ちになったような気がします。
(この辺の事はまた別の機会に詳しく書きたいと思います。)
またまた、家族に迷惑をかけてしまう事になりましたが、自分には、今まで見えなかった光が見えてきたように感じていました。
仕事を辞めてしばらくした頃に、思い出したことがあります。
そういえば…「仕事変わるときは、出来たら1週間でも休んで、気持ちも身体もリセットした方がいいよ」って昔仲良くしてくれていた看護師さんが言ってくれたことがあったっけ。
そんな事、すっかり忘れてました。
だって、鬱になったばかりの頃に言われた事だから…。
それに、前の職場から逃げるように異動させてもらったのだから、そんな余裕はわたしにはありませんでした。
もしも…
1週間でも休みを入れて、リフレッシュ出来ていたら、仕事を続けられたのかな…と悩みました。
でもね…過ぎてしまった事だから、もうどうにもならないし。
結果として、自分に合ったカウンセリングに出会い、現在は前向きな気持ちで生活できているのだから、この年の出来事は『結果オーライ』…いやそれ以上だったのだと思っています。
こんな感じで…やっと、鬱と本気で向き合うことができるようになった、鬱病10年目のわたしなのでした。