今日も迷走中!!~鬱と向き合うオジさんの記録~

毎日迷走中のおっさんのブログです。主に鬱病の体験記です。その他、仕事の事、趣味の事などいろいろと書いていきます。

聞こえてくる嫌な声…そして目が回る

去年亡くなってしまいましたが、我が家にボーダーコリーが一頭いました。

名前は『ぎんじろう』と言います。

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わたしが鬱病になったのは、『ぎんじろう』が我が家へやってきて、1年半位経った頃だったと思います。

 

当時、『ぎんじろう』の朝晩の散歩が、わたしの日課でしたが、丁度『わたしの中で何かが折れた』辺りから、散歩が辛くなっていきました。

 

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ossanmeisocyu.hatenablog.com

 

朝、近くの土手を散歩していたのですが、前から人が歩いてくるのが見えると、わたしに異変が起こりました。

ちなみに、その人は全く知らない人です。

 

いつもなら、何てことはないのですが、足が進まず、すれ違う頃には目が回ってしまい、立っていられず、その場に座り込んでしまいます。

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その後も、人の姿が見えると足が竦んでしまい、目が回ってしまうのです。

 

しばらくの間、落ち着くまでは動けないでいるのですが、まだ若かった『ぎんじろう』は「早く行こう」とばかりに引っ張ってきます。

また、犬好きな人が話しかけてくると、座り込むことも出来ず、目が回ったまま対応することになりました。

それがまた辛かった。

(「察してくれ~」っていつも思っていました。)

 

足が竦む時、前から来る人に「あっ、アイツおかしいぞ。頭おかしいんじゃないか?」って思われているような気がしていました。

そんな言葉が耳元でささやかれているような…そんな感じでした。

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今までなら30分くらいで帰宅できるコースなのに、日に日に時間がかかるようになりました。

体感では3倍も4倍も時間がかかっているようでした。

そんなことがあってからと言うもの、『ぎんじろう』の散歩は、どんどん苦痛となり、そして恐怖になりました。

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それからは、散歩中に高い建物や鉄塔を見ると「あそこから飛び降りたら楽になるかな…」とか考えて、自分が飛び降りるイメージばかりが頭を過っていました。

 

当時、主治医やカウンセラーからは「犬の散歩もダメです。しっかり休んでください。」と言われましたが、「せめて、それ位やれよ!」と誰かに頭の中で脅迫されている様に感じてしまい、辛いけど散歩を続けていました。

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その後…

目が回るのは『ぎんじろう』の散歩以外でも起こりました。

受診の為、病院の待合で待っていても、妻と買い物へ行ってみても、人が多ければ多いほど目が回ってしまい立てなくなりました。

 

そんなこともあり、徐々に外へ出ることが恐怖になっていきました。

 

世間から『自分は頭のオカシイ、ダメな奴』と思われているようで、また、そんな声が聞こえるようで、本当に辛かったです。

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酷いときは、家にいても何だか近所の人が、わたしを指さして笑っているような気がして落ち着かないのです。

家の中で息を殺して生活し、物音がすると、カーテンの隙間から外の様子をのぞき込んだりしていました。

だから、『ぎんじろう』が吠えたりすると、生きた心地がせず、どんどん追い詰められていきました。

 

今思えば、「そんな訳ないし、自分で言わなきゃわからないのに」って思えますが…。

当時は真剣に悩んでいました。

辛くて、辛くて…。

 

暫くして少しで歩けるようになった時、近場の駅やデパートなどへ行って『慣れよう』としていた時期がありました。

早く「大丈夫」と思いたかったのだと思います。

でも、やっぱり目が回るし、しばらくベンチに座り込んでいました。

そして「まだ駄目か…。」と落ち込む。

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この繰り返しでした。

 

動けるようになっても、しばらくの間休めばいいのですが…。

まだ病気の事を理解できていなかった、いや理解しようとしていなかったので、焦るばかりで、休んでなんかいられなかったのです。

「何とかしなくちゃ」という気持ちばかり焦って、自己流でいろいろとやってみては失敗する…。

そんな時期でした。

 

自己流や小手先の事で何とかしようとしていたから、同じ事を何度も繰り返しちゃったのかなと思っています。

あの頃は、「鬱を治す」とは思っていたけど、「向き合おう」という発想は全くありませんでした。

『最短距離を走ろうとして、道に迷ってしまった。』

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そんな感じなのかなと思っています。

   

ここ数年で漸く病気の事を理解して、向き合えるようになったと思っています。

長い事、時間がかかりましたが、腹が括れたのだと思います。

 

なので、最近は変な声も聞こえないし、目まいもなくなりました。

 

でも、人ごみは苦手ですw

そして、すごく疲れますけどねw

 

でも、これは昔からなので、仕方がないと今は割り切っています。

 

 

 

 

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『ぎんじろう』です。↑